イギリスといえば思い浮かぶのがアフタヌーン・ティー
アフタヌーンティースタンドにスコーンやサンドイッチが盛られ、午後の紅茶とおしゃべりを楽しみます。

スコーンは普通プレーンなスコーンで、たまにレーズンが入るくらいです。
サンドイッチはエッグサンドでも、ハムサンドでも、ミックスサンドでもなく、
キューカンバサンドが主流です。

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食パンにバターを少し塗り、キュウリを挟んだだけの、とてもプレーンな物です。

昔、キュウリは高価で貴重でしたので、お客をキューカンバ・サンドイッチでもてなせるのは
富の象徴でもあったのです。

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こちらはマチルドにある2段のアフタヌーンティー・トレイ
ガラスのトレイには手彫りで切り子模様が入れられています。
21w 28h ¥24,000


イギリス人はこのマーマイトが大好きで
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サンドイッチにはかかせません。
ビール酵母で作る、いわばビールの酒粕です。
個人的には決して美味しい物とは思えませんが・・・・

私たち家族はイギリスのキューガーデンの隣に住んでいた事があり、
キューガーデンの門まで、徒歩で10歩と最高の場所でした。
すぐ近くに
NEWENSというティールームがあり、
そこのクリームティー(アフタヌーンティーのセット)のスコーンはとても美味しく、
よく通っていました。

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現在のNEWENSと

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120年前のNEWENS


イギリスの紅茶の歴史は古く、1650年代には東洋の秘薬、万能薬として飲まれたそうで、
貴族達が今と近い形で紅茶を楽しむ様になったのは17世紀後半〜18世紀前半の事です。

お茶の葉は、日本茶、中国茶、紅茶とも殆ど差はありません。
日本では緑茶を飲み、中国では半発酵の茶葉を使い、紅茶は全醗酵した茶葉を使用します。
諸説ありますが、中国から中国茶葉を舟で運んでいるうちに、茶葉が全醗酵していまい、
今の紅茶になったという説が有力のようです。

また、その頃のイギリスの茶器は中国の茶器をそのまま真似た物でした。
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NEW HALL手描きティーボウル&ソーサー 1760-80年代

やがて、紅茶が広まるにつれ、独自の茶器が作られ、
今のハンドルがあり、ソーサーの平たい形になりました。

イギリスで飲んだ紅茶が美味しかったからと、沢山買って、
日本に持ち帰ってから飲んでみたら、左程でもなかった・・
というお話をよく伺います。

個人的な意見ですが、イギリスの乾燥した気候と水の違いではないかと思います。

イギリスの水は石灰分を多く含む硬水で、新品のヤカンの底がすぐに白くなってしまう程です。
その水が紅茶に適してるのではないでしょうか。
南部鉄瓶で紅茶を入れると水が硬水に変わり、案外美味しいのかもしれません。
(硬水で紅茶を入れると、色は黒ずんしまいます。でも、それはタンニンがミネラルと結合し、
沈殿したという事なので、タンニンの渋みがなくなり、紅茶はまろやかになります)

私はチョコレートも日本で食べるより、イギリスで食べた方が美味しい気がします。
疲れてる時に食べるからかもしれませんが・・


イギリスにも1990年代後半からスターバックス等のコーヒーカフェチェーン店が沢山出来、
コーヒー・リヴォリューションとも呼ばれ、紅茶文化を脅かしています。

Y.S