今日は、古いクロスを3つご紹介させて頂きます。

JetCross
こちらは、最近入荷したジェットのクロス。
ジェットとは、オークの木が海に落ち、何万年もかかって、
化石化した物をいいます。

JetCross2
そしてこちらは、ボルカナイトととよばれる材質のクロス。
ジェットの代用品として作られました。
ボルカナイトはエボナイトとも呼ばれる硬質ゴムで、
天然のゴムに硫黄を加えて作られた硬質ゴムで
プラスチック(合成樹脂)に似ていますが、ゴムの一種なので、
天然ゴムに分類されます。

共に1860-80年代の物で、
当時、喪に服していたヴィクトリア女王が黒の衣服を着、
黒のジュエリーしか身につけなかった事から、
こういった黒の物が流行しました。

Queen-Victoria-in-Mourning-Dress-02_thumb1
黒ずくめのヴィクトリア女王

ボルカナイトのクロスには「MIZPAH」と彫られています。
Mizpahは旧約聖書に登場する地名で、「物見やぐら」という意味も含みます。
創世記にヤコブとラパンが和解の契約を結んだ場所であり、
印の石柱を立てた事から、
Mizpah_Medal
このようなコインもMizpahと呼ばれます。
The LORD watch between me and thee, when we are absent one from another.
やはり、創世記の言葉が刻まれ、約束を確実の物とします。


ThereseCross1
そしてこちらは、聖テレーズのクロスです。
1920年代の物で、アイボリーンという素材で出来ています。
このアイボリーンはセルロイドの発明(1869)で、合成樹脂がベーカライト(1909)
等へと多様化していった過程で、象牙の代用品として作られました。

*画像をクリックしていただきますと、それぞれHPの商品ページへとリンクします。


Y.S