本日、9月8日はマリアさま誕生の祝日です。


マリアさまの両親であるヨアキムとアンナには
長い間子どもができませんでした。

ある日、いけにえの羊を捧げに赴いたエルサレムの神殿から追い返され
荒野をさまよっていたヨアキムの元に、大天使ガブリエルが現れ
妻アンナの受胎を告げました。

祈りが届けられたことを知ったアンナは、
生まれてくる子どもを神さまに捧げることを誓いました。

アンナの受胎は、神さまの特別なはからいによってもたらされた
汚れなき受胎でした。

すなわちマリアさまは、アダムとイブより受け継がれた“原罪”を
受け継がずに、母アンナの胎内に宿ったということです。

カトリックの教義で、「無原罪の御宿り」といいます。

mugennzai
バロック期のスペインの画家、ムリーリョの“無原罪の御宿り”
右は現代物のホーリーカード、左はアンティークのポストカードです。



41 PM
アンティークのホーリーカード

“無原罪のマリアさま”が伝統的なかたちで表現されています。

白い衣に青いマントを身に着け、
両手を開き、その指先から光をはなっています。
足下には下限の月と、原罪の象徴である蛇、
頭上には12の星の冠を戴いています。

これは、ヨハネの黙示録12章、
 『また、大いなるしるしが天に現れた。
一人の女が太陽をまとい、月を足の下にし、
その頭に十二の星の冠をかぶっていた。」に由来します。

このように、ホーリーカードをはじめとする古い図像では、
ひとつの画面で広く様々な情報を伝えるため
描かれるものひとつひとつに意味を宿しています。

これらの意味を紐解いてみると、
美しいだけではないホーリーカードの面白さ、
一段と深い魅力を感じて頂けるのではないでしょうか。



最後に‥
anna and mary
聖アンナによる、幼いマリアさまへの教育の場面
旧約聖書を用い、読み書きや解読を教えています。
どちらもアンティークのホーリーカードです。

聖母とその母というより、普通のお母さんと娘のような
暖かい雰囲気が、見ていてほっとする素敵なホーリーカードです。




staff s.o